複数回のトライアル登録、展示会やセミナーなど異なる機会でのリード登録により、同一人物であっても新しい接点での重複登録が発生します。特に大規模なマーケティング活動を展開している企業様では、この現象はほぼ全てのお客様で確認される傾向にあります。

Salesforceには重複データ対策として、「重複データの保存を禁止してエラーにする」「重複データに警告を表示する」「重複データをレポートで一覧化する」といった機能は標準で提供されていますが、「重複データを自動でマージする」機能は含まれていません。

リードの流入は新規顧客獲得に直結する重要なビジネスイベントです。Salesforceの標準機能で重複データの保存を禁止してエラー表示させることは、貴重な営業機会を逃すリスクがあるため、実際のビジネス現場でこの設定を採用することはほぼありません。そのため、重複を許容しながらデータを保存し続けることになり、結果として重複データが蓄積されてしまうのが現状です。

Salesforceには標準でマージ機能が提供されていますが、単純作業として機械的にマージを進めることはできません。それぞれのレコードには重要な関連情報が紐づいているため、どちらを正レコードとするか、どのような場合はマージを避けるべきかといった判断には、データの背景や社内運用ルールを十分に理解した上での慎重な調査が必要となります。

前述のとおり、レコードのマージには相当な時間と判断が必要です。そのため、継続的なデータ流入の速度に遅れることなくマージ処理を実行するには、マージに関するルールを明確に定義し、そのルールに基づいた自動マージ処理の仕組みが必要となります。