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    mergencyで不動産業界のデータ重複課題を解決 〜営業効率化と顧客満足度向上を実現〜 株式会社 FGH様インタビュー

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      「収益不動産のプロフェッショナル集団」として業界をリードする株式会社FGH様。2007年の創業以来、収益不動産の売買仲介に特化して事業を展開してきた先駆者的存在です。
       
      随時300~500物件の売却案件をオーナー様よりお預かりし、完全分業制を取り入れた専門性の高いサービス体制により、お客様一人ひとりに寄り添った質の高いサポートを提供されています。また、独自の「投資シミュレーター」や「投資スケルトン」といったデータ分析ツールを活用し、精度の高い投資効率の算出とリスク診断を実現されています。
       
      今回Praztoは、FGH様のSalesforce運用において発生していたデータ重複の課題を解決するため、Mergency導入支援を行いました。不動産業界特有の表記ゆれや顧客情報の分散といった課題にどう取り組まれたのか、また導入後の効果について、執行役員の新田知也様にお話を伺いました。

      新田 知也(にった ともや)
      株式会社FGH 執行役員


      2015年に株式会社FGHへ入社。不動産仲介営業に従事する中で、多くのお客様が不安や悩みを抱えていること、そして業界全体における情報の不透明性に課題を感じる。顧客と従業員、双方の満足を両輪とした組織を目指し、社内にマーケティング部門を立ち上げる。 その後はマーケティング、DX、インサイドセールスを担当。不動産業界におけるDXの可能性に着目し、ビジネス・業務・プロダクトに至るまで一気通貫での変革を推進。
      大竹 萌絵(おおたけ もえ)
      株式会社Prazto COO


      大学卒業後、美容クリニックで受付カウンセラー職としてカウンセリング業務に従事。BtoBの経験を積むためサービスオフィス総合受付/秘書に転職し、入居企業様のサポートに従事。2022年9月、株式会社Praztoの教育事業への理念に共感して、SalesforceコンサルタントとしてPraztoに入社。現在は、株式会社PraztoのCOO/教育事業統括として教育事業の立ち上げと拡大を統括しながら、自らもSalesforceのトレーナーとして教育事業の実務も行う。

      データ重複により営業効率が低下、顧客満足度にも影響

      大竹:本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。まず、Mergencyご導入前の課題についてお伺いできればと思います。不動産収益物件の管理でレコードを作成されている中で、どのような課題を感じていらっしゃいましたでしょうか。
       
      新田: 本質的には「データの信頼性」でした。オーナー情報や物件情報が重複・分散してしまうことで、意思決定の精度や顧客接点の一貫性が失われていたのです。これは単なる業務効率の低下にとどまらず、結果的に顧客体験そのものの質にまで影響を及ぼしていました。


      不動産の名称は表記ゆれが激しいという業界特有の事情があり、そのため物件情報の重複も多発していました。当社では、物件に対するデータの保有数をビジネスに活用していたのですが、重複が原因で正確な数値を測定できず、そのままでは十分に活用できない状況でした。つまり、データの信頼性を確保できないという点が非常に重要な課題だったのです。 
       
      大竹:どのような形で暫定的に対処されていたのでしょうか。
       
      新田: 基本的には手作業での対応でした。商談を獲得した際に、営業担当者自身が同じ名前がないかを検索し、重複が見つかれば手動でマージするか、あるいは片方を削除するという形で処理していました。非常に非効率で、現場に大きな負担となっていたのが実情です。 
       
      大竹:そういった作業時間には、具体的にどれくらい時間がかかるものなのでしょうか。
       
      新田: 重複が発生していた際は、基本的にはそのデータの移行作業だけで、1件あたり20分程度かけて対応しているケースもありました。作業が煩雑であるため、その情報を移行せずに片方だけ削除するという判断を行うこともありました。

      自動マージで2万件のデータ統合、営業時間を大幅削減

      大竹:実際にサービスをご導入いただいてから、業務として解決された部分について大枠としてお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。
       
      新田: まず大きいのは、マージが自動でできるようになったことです。そのおかげで、情報の蓄積や分析のプロセスが格段にスムーズになりました。さらに効果的だと感じているのは、関連オブジェクトまで漏れなく引き継げる点です。これにより、お客様や物件に関する活動や変更の履歴を明確に把握できるようになり、営業活動の質を大幅に改善することができました。 

      大竹:従来は重複しているほうを削除してしまったり、情報が引き継げない場合もあったかと思うのですが、こういったソフト面の部分でも営業の方々にとってはかなり業務的には役に立ったという印象でしょうか。
       
      新田: 重複に関する不満は、ほとんど聞かれなくなりました。以前に比べて大幅に減少し、ゼロに近い水準まで改善されています。また、新規でデータを作成する際も自動的にマージされるため、「この方はすでにこの物件を所有されていたのか」や「他にもこうした物件を所有しているのか」といった情報を確実に把握できるようになりました。結果として、営業担当者にとって信頼できる情報が大幅に増え、非常に有用な状況になっています。さらに今後は、この仕組みを継続的に磨き込むことで、完全に不満を解消し、より高いレベルでのデータ活用につなげていきたいと考えています。 
       
      大竹:もともとかかっていたマージ工数の部分で申し上げると、営業の方の作業時間は大幅に削減できたというイメージでしょうか。
       
      新田: Mergencyの導入によって、2万件以上のデータ統合を自動化できました。従来は1件20分を要していた作業が不要となり、営業現場に膨大な時間資源を還元できています。 

      一元管理された顧客情報で営業品質向上、満足度アップを実現

      大竹:導入前と導入後で、お客様や物件オーナー様からいただく評価に違いは出てきていますでしょうか。
       
      新田:顧客情報の一元管理が実現できることによって、以前お話しした内容や、以前ヒアリングした物件の情報、物件オーナー様の情報をしっかりと確認した上で営業活動ができるようになりました。そのため、物件オーナー様の情報を詳細にお伝えできることによって、お客様の満足度も向上している状況です。

      柔軟性と操作性を重視した導入検討、社内一致で即座に決定

      大竹: Mergencyをご紹介された際、サービスに対してセキュリティ面でのご不安や、導入にあたっての社内的なハードルなどはございましたでしょうか。
       
      新田: 不安点としては、セキュリティ面というよりも、どこまで柔軟なマージが可能かという点と、条件設定がどこまで詳細に行えるかという点でした。また、最も重要視していたのが、自分たちで操作や設定が可能かという点でした。
       
      大竹:実際にご導入されることになった際に、他の社内のご担当の方から、ご導入に対してのご感想はございましたでしょうか。
       
      新田: 社内では積極的に導入していこうという話になっておりました。データの重複除外は非常に重要な課題でしたので、対応できるサービスが見つかったということで、役員会議でも即座に導入を決定するという状況でした。

      不動産業界のデータ整理と信頼性向上にMergencyが最適

      大竹:不動産業界ならではの特性という点では、どのような課題感をお持ちでしょうか。
       
      新田: 物件に関する情報は、インターネット上だけでは正確性に限界があります。家賃や取引金額も不透明なことが多く、業界特有の難しさと言えます。だからこそ、我々としては情報をしっかりと蓄積し、分析を通じて周辺相場や物件の適正性・特性を管理できる体制が非常に重要だと考えています。
       
      大竹:そうしたデータ整備は、オーナー様との関係性にも直結しそうですね。
       
      新田: その通りです。不動産を購入されたオーナー様は、多くの不安や悩みを抱えていらっしゃいます。オーナー様に寄り添うには、一人ひとりの情報を確実に把握し、「どのようなお話をしたか」という履歴を残すことが不可欠です。これができて初めて、より深いコミュニケーションにつながります。 
       
      大竹: データマージのような仕組みは、そうした関係構築にも影響を与えているのでしょうか。
       
      新田: 大きく影響しています。データの重複や連絡先の相違を放置すると、リストの信頼性が損なわれ、ユーザビリティにも直結します。もともと不動産会社は「信頼されにくい業種」と言われがちですが、だからこそデータの整理・統合は非常に重要な要素だと考えています。
       
      大竹: では、今後の展開という観点ではどのようにお考えですか。
       
      新田: 重要なのは「その先」をどう描くかです。事業のゴールを設定したうえで逆算し、このデータからどんな付加価値を生み出すのかを構想する必要があります。データの整理と現場での活用がかみ合うことで、新しい可能性が広がり、ビジネスの発展につながると考えています。まずは顧客基盤のデータを確実に整理し、リアルな数字を追跡できる体制を整えることが最も重要だと考えています。

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